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慶大経の復元合格答案

 2008年度の慶應大学経済学部「小論文」は、旭山動物園を素材に情報リテラシーを問うものでした。その成功体験を疑い、新たなコンセプトの動物園を提示するということが、この出題におけるリテラシーの中身です。これを発揮して、見事に合格を果たした生徒さんに再現してもらった答案を以下に掲載します。内容から判断すると、高得点だったと思われるものです。今後の学習の参考、そして励みとしてください。来年はアナタが復元合格答案を書いてくださいね。


A.閉園の危機に陥っていた旭山動物園ではどのような対策をしたのか、課題文をもとに2つ挙げ、それぞれの対策の問題点を指摘しなさい。

 旭山動物園での対策の1つ目は、動物の特徴的能力を発揮できる環境を整える事である。しかし、各動物が異なる能力を持っているためそれぞれに異なる環境を整備しなくてはならない。そのためには、必然的に多大な費用がかかることになる。つまり、財政状態の悪い動物園では実現が困難である。2つ目は、飼育係が自分の担当の動物を入園者に説明する「ワンポイントガイド」である。これに対する問題点は、飼育員は常に同じ人であるため、話が毎回同じになる可能性が高いということである。初めての入園者は良いものの、2回目以降の人は、前回と同じ話であるため新鮮さが薄れる。これではこの動物園の「ファン」になる可能性も低くなる。


B.ある市には動物園がまだありません。そこで市立動物園を新設することを検討しています。あなたがこの市の職員だとして、市立動物園について市民が賛成してくれるよう訴える文章を書くことになりました。課題文のみにとらわれず、あなたの考える根拠を含めて、行政側から市民を説得する文章を300字以内で書きなさい。

 新しい動物園の主な目的は3つあります。1つ目は、町おこしです。新設する動物園の「ファン」が増えれば、近隣の商店にも活気が生まれるはずです。人気を獲得するためにも毎週土曜のナイトツアーを計画しています。これは夜行性動物の能力を見物するものであり、次の日の朝のことを心配せずに参加できるように土曜に行います。2つ目は住民の交流の場です。地域社会の希薄化が問題視される現代で中間団体としての動物園を提供します。そのためにも近隣住民は入園料を半額にします。3つ目は子供と動物のふれあいの場です。そのためにも、行事として小学生の飼育体験参加を各小学校に奨励しようと計画しています。
by sosronbun | 2008-07-01 09:21 | 社会科学系論文


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