<   2009年 01月 ( 7 )   > この月の画像一覧

ワンコインの矜持

 明日からの一日半(3時間×3回)の講演(市役所の職員研修)のため、群馬県伊勢崎市に来ています。夕食をとるためホテルの周囲を散歩したのですが、冬の夕暮れという時間帯だったせいでしょうか街は閑散としています。また大きなスーパーが2店あったのですが、にぎわいとはほど遠い感じでした。そんな街を歩いていたら、地元の人気店らしきラーメン屋さんを発見。ラーメンとギョーザを食べました。うまかった・・・
 そのとき思い出したのが、先日、横浜で食べた「かきあげそば」です。今夜のラーメンと同じくらいの値段(500円)だったのですが、勝負のポイントになるべき「かきあげ」が明らかに手抜き。ニンジンとねぎなど具がきわめて少なく、「小麦粉あげ」といった感じでした。大都市で地代が高いのかもしれませんが、コスト削減のあまり手ではなく具を抜いてはいけません。
 そんな、ふまじめな店と比べると、伊勢崎のラーメン屋はとてもすばらしかった・・・。厚いチャーシュー2枚、メンマたくさん、スープもしっかりダシがきいています。ギョーザも手づくりの具だくさん。お客さんの一人が、帰り際に「ここのラーメンは味が変わらないからいいよね」と店の人に言ってました。こうした固定客がお店を支えているのです。ボクも「とてもおいしかったです」と感謝しつつ店から出ました。
 矜持というのは自信と誇りです。ワンコイン(500円)だからといって手・具を抜かず、まじめに仕事をする。厳しい時代を生き残るには、その「まじめさ」が重要なのもしれません。世界市場なような大きな舞台ではなく、地元の人に愛され、支えられる小さな仕事にこそ、地域経済再生の可能性が潜むのかもしれませんね。
 ボクも矜持を忘れず、情報公開や個人情報保護の話をしたいと思います。
 
[PR]
by sosronbun | 2009-01-27 00:32 | 単なる雑談

KYへの過剰反応

 直前講習に時期になり、これまで小論文対策をしてこなかった人たちの文章を読む機会が増えています。そうした中で気づいたのが、KYへの過剰反応とも思える文章の多さです。某首相の影響で最近のKYは「漢字を読めない」ことなのだそうですが、ここでいうKYは「空気を読めない」というやつです。そして、それへの過剰反応とは、周囲から浮くことを恐れて自分の考えをなかなか言わないことです。
 たとえば、裁判員制度がテーマだったとします。自分自身はこれに反対なのですが、延々と賛成派の主張を紹介し、一定の理解を示して、ようやく反対の主張や理由に入る・・・そんな感じの答案が、KYへの過剰反応の典型例です。別に採点者は「あなたは空気が読めないねえ」などとは言わないので、反対なら反対だとしっかり主張すればよいのに、まず相手に合わせようとするのは、なぜなのでしょうか?
 そうではなく、まずは自分の考えを固めるべきです。その上で、相手の主張にも耳を傾け、理解してもらうべく説明を掘り下げたり、必要に応じて考えを修正していけば良いのです。受験生には罪がなく、世間に流布する小論文のマニュアルが「確かに・・・しかし・・・」を強調してきた結果なのかもしれませんね。KYへの過剰反応を避け、「私から、あなたへ」という方向性で考え、表すようにしましょう。「あなたがいるから、私がいる」というような他者依存的な関係は、恋愛はともかく小論文では害が大きいと思います。
 KYをおそれず、自分が考えたことを自由に表現しましょう!
[PR]
by sosronbun | 2009-01-26 23:28 | 論文入門

未来を描く能力

 まもなオバマ大統領が就任します。彼が大統領になったとき、何を語るのか?みんなが注目するのは、そこに「未来」を確かめたいと期待するからなのでしょう。しかし、カギカッコ付きで「未来」と表現したように、オバマ新大統領が語るのはアメリカにとっての「未来」であるのも事実です。それはイスラエルによるガザへの攻撃・殺戮に対して、アメリカという国がどのような態度をとったのかを思い起こせばわかるはずです。それでもオバマ新大統領の演説に期待してしまうのは、私たち自身が日本という小さな国の「未来」すら描けなくなっているからなのかもしれません。
 そのような状況の中で、若い受験生の皆さんは、自分だけでなく社会・世界について、どのような未来を描いているのでしょうか?この未来はカギカッコのない、つまり異なる他者とも共有可能な未来です。「いきなり、そんなこと言われても・・・」ととまどう受験生も多いでしょう。しかし、個人が現実に押し流されてばかりの社会だからこそ、夢や理念という言葉でも語られる未来を描くことが必要なのです。駿台の直前講習「慶大法プレ」では、そのような趣旨の問題をつくりました。もちろん具体的な内容はヒミツですが・・・
 10年位前にも、同じような問題意識で「コンセプチュアル・スキル」という問題をつくったことがあります。ちょっと長いけど、そのときの解答例を以下に掲載します。読めばわかると思いますが、未来を描くとはより多くの人たちが共有できる価値を生み出すことです。その価値とは何か?、どのようにその能力を身につけていくのか?など、アレコレ考えてみましょう。

---------------------------

 コンセプチュアル・スキルとは複雑な物事の本質を凝縮して問題をえぐり出すことのできる能力である。これを身につけることで、ゴール(世の中に与えたい自分の価値)を主体的に決定できる。それゆえに、学生にイノベーター(価値を作ることのできる人)になってもらいたいと考える筆者は、学生がコンセプチュアル・スキルを身につけることを重視する。ところが、現実の学生は一番うまい方法にいかに近づくのかを計算するテクニカル・スキルを身につけようとしてしまう。学生は働いた経験がないので仕方のない面もあるが、自分で問題を立てることの難しさや楽しさ、社会的な意味などをわかってもらう授業を通じて、学生がコンセプチュアル・スキルを身につけることを筆者は試みている。
 明言してはいないが、筆者の主張の背景には一つの時代認識があるように思われる。現代が不確実性の時代と呼ばれるようになって久しい。不確実というのはそれまで価値があるとされてきたものが無価値になり、価値がないとされてきたものが重視されるような傾向を指す。そうした時代においては既成の価値を身につけるのではなく、それらにしばられず自由に考え新たな価値を見つけ出すような知的心構えが必要になる。それがビジネスチャンスや社会の変革・進歩につながることも期待できることから、私も筆者と同様に学生がコンセプチエアル・スキルを身につけていくことを重視したい。
 しかし、筆者も現状を指摘するように、それが容易でないことも事実である。とりわけ、多くの学生にとって価値というのがきわめて自己中心的で、世の中との接点を欠いている点が深刻である。ゴールを見つけられないのはスキルがないからだけでなく、自分の価値を提供する世の中への関心がそもそもないからではないか。
 その意味では学生にコンセプチュアル・スキルを身につけさせる試みは、複雑な物事の本質を凝縮して問題をえぐり出すスキルの習得にとどまらず、世の中に対する関心をそれぞれの学生の中に回復させていくものでなければならない。筆者がフィールドワークを重視したり、さまざまな人生を歩んできた人を呼んで講演会を開いたりするのも、同様の趣旨からだろう。惜しむらくは、そうした世の中の物事や人々との出会いが大学で初めてもたらされる点であり、もっと早い段階での出会いが必要だと私は考える。
[PR]
by sosronbun | 2009-01-20 09:52 | 社会科学系論文

センター試験、お疲れさま

昨日、センター試験が終わりましたね。まずは、お疲れさまでした。
とにかく「結果」は出たわけで、これと正面から向き合い「進路」を思案してください。

文系の受験生で慶大や後期試験も視野に入れることになった人は、あわてず騒がず小論文対策の準備を始めてください。この記事を読んでいる人の中には、これまで小論文を何もやってこなかった人もいるかもしれませんね。そういう人はマニュアル本やネタ本に走りやすいのですが、右のカテゴリにある「小論文FAQ」をざっとで良いから読んでみましょう。

医系の受験生の中には、評価が読めない小論文や面接があることを理由に、志望校の選択肢を狭める人をときどき見かけます。しかし、苦手意識は吹き飛ばし、センター試験の「結果」を踏まえて、もっとも適切な選択をしてください。これまで医系論文を受講してきた人は、論文力や面接力で十分にアドバンテージがあると思います。必要に応じて、それらの「保険」を活用しましょう。

質問があったらコメント欄に書き込んでください。「ここ」にたどり着いたのも何かの縁なので、受講生でなくても遠慮なく、どーぞ。
[PR]
by sosronbun | 2009-01-19 22:30 | お知らせ

平和を求める市民活動

 イスラエルによるガザ地区への攻撃に対して、「蟷螂の斧」(読めるよね?)かもしれないけど何かできないだろうか?と考えていたら、NPOの知人からメールが届きました。以下のサイトで国連安全保障理事会、ヨーロッパ連合、アラブ連盟、およびアメリカ合衆国に対する請願(petition)の署名を集めているとのこと。ボクと中3の我が子も早速署名しました。あとで、かみさんも署名する予定です。
 なお、署名サイトを運営しているAvaaz.orgは、国際市民団体 Res Publica と、インターネットでの市民運動の先駆者である米国のMoveon.org により共同設立されたネット運動体だそうです。

 ■GAZA: STOP THE BLOODSHED

 署名方法は簡単で、以下のページの水色の「Sign the petition」に名前、メールアドレス、国名を入力して、ピンク色の「send」をクリックするだけです。Cell/Mobile(携帯電話番号)、Postcode(郵便番号)は省略しても大丈夫とのこと。いまはあとでお礼の手紙(英文)が来ます。
 ページに署名数のカウンターがあります。5日間で目標の200,000筆(日本語では署名の数をこのように数えます)に達し、この記事を書いている現段階では300,000筆めざして刻々と増え続けています。

 また、NPOの日本国際ボランティアセンター(JVC)が以下のサイトでパレスチナに対する緊急医療支援の情報を流しています。クレジットカード等による募金集めもしています。受験生はクレジットカードを持っていないだろうから、皆さんの代わりにボクもあとで振り込もうと思います(少額ですが・・・)。

 ■JVCによるパレスチナ医療支援

 これらの取り組みを無力だと哂う人もいるでしょう。でも、「傍観しているよりはよっぽどマシだ」とボクは考えます。忙しい受験生に協力を強いませんが、これを素材にして、自分自身は社会・世界とどう関わるのかを考えてみましょう。
 



 
[PR]
by sosronbun | 2009-01-07 16:44 | お知らせ

医学部受験のための・・・

 センター試験まで、あと10日。そんな受験生をつかまえて、以下のテレビ番組を見なさい…というのは、さすがのボクも気が引けるのですが、紹介してしまいます。

 ■日時 2009年1月13日(日)
 ■タイトル NHK プロフェッショナル仕事の流儀 詳細はこちら
         「“いい人生やった” その一言のために~診療所医師・中村伸一~」

 サッカーの試合の半分、たった45分の番組です。たかが45分か、されど45分かは人それぞれでしょう。ただ、入試直前のてんぱった時期だからこそ、自分が進む道についてあらためて考え、医学部受験という難関にのぞむ強い気持ちく持つべきだと、ボクは思うのです。
 テレビではありませんが、今日(1/6)の朝日新聞・朝刊も一読をすすめます。「明日を見つける―へこむなニッポン」という連載の第5回ですが、「地域のお産を守りたい」というタイトルで、産科医ゼロの岩手県遠野市の取り組み(市の施設に助産院を設けて、産科医のいる医療機関とも連携すること)を紹介しています。市長の「我々の身の丈でできる」という言葉は、医療だけではなく他の問題にも通じるものがあると思います。
 たまたまですが、「私の視点」には東京藝術大学准教授の毛利喜孝さんが「新たな暮らし方模索を」という一文を寄せています。「自律した新しいライフスタイルと経済制度作り上げること」を希望する彼の論述にも、「身の丈」という視点が含まれているように思われます。こちらの記事は、文系小論文を受験で使う人は必読です。
[PR]
by sosronbun | 2009-01-06 17:58 | 医系論文

仕事始め

あけましておめでとうございます。

「受験生には正月なんてないんだ・・・」なんて言わないで、無事に新しい年を迎えられたことを祝いましょう。そして、新たな気持ちで受験にのぞみましょう。
我が子とその友だちの付き添いで湯島天神に行ってきました。お賽銭は少々でしたが、皆さんの合格も強く強くお祈りしてきたので安心(?)してくださいね。

ボクは今日から仕事始めです。簡単な会議と打ち合わせがありました。今月は予備校の直前講習に加えて、4ヶ所で情報公開や個人情報保護に関する講演があります。2日間で3時間×4回などというハードな講演もありますが、正月に少し休んだので元気に乗り越えられると思います。受験も近くなってきたので、このブログも連日更新したいと思います。

思い起こせば30年前。ボクの大学受験のときは、「禁」を犯して高校サッカーを観にいっていました。受験生の皆さんも、適当に気分転換しつつ、心と体の健康に気をつけて、勉強をがんばってください。
[PR]
by sosronbun | 2009-01-05 17:05 | 単なる雑談