<   2007年 09月 ( 11 )   > この月の画像一覧

リサイクルで国際支援

 何だか忙しくて(おそらく5人分くらいの仕事をしてる…)、久しぶりの記事です。
 今週の火曜日は駿台・横浜の授業の前に、近くの公共施設で「NPOの社会的価値」について講演をしてきました。主催は「WE21ジャパン」というNPOで、神奈川県内54店のリサイクル店「WEショップ」を展開しています。
 他のリサイクル店と違い、「WEショップ」で販売している商品はすべて「寄付品」です。つまり仕入れはタダで、その売り上げから諸経費を差し引いた収益を、アジア地域の人々の生活向上と自立のために支援しています。2006年度は20カ国以上の地域・団体に約1800万円の支援を行ったそうです。なお、貨幣価値が大きく異なるため、支援を受ける側にとってはけっこう大きな金額であることに留意してください。
 寄付された不用品がカネになり、そのカネが国境を越えて、アジアのいろいろな地域の医療・保健、教育・人材育成に活かされる・・・このダイナミックな価値転換こそが、このNPOの最大の特色です。PCのディスプレイを見つめ、ネットオークションの価格の推移に一喜一憂するボクたちの日常を考えると、なんて社会的で人間的なのでしょう
 世界水準では超がいくつもつくほど「豊かな社会」で生きるボクたちは、その「豊かさ」を自分のためだけでなく、他者や社会・世界のためにどう活かすことができるのか?「WEショップ」は、この問いに対する一つの答えです。この記事を読んでいる神奈川県内の人は、不用品があったら近くの「WEショップ」に持ち込んでくださいね。ボクは某出版社からいただくお中元・お歳暮(高級?紳士用靴下)をそのまま寄付したことがあります。ボクには3足1000円の靴下で十分なのです。
 この文章を使って、以下のような問題を作りました。

 問 下線部の「社会的で人間的」という意味・理由を300字以内で説明しなさい。
[PR]
by sosronbun | 2007-09-29 13:54 | まじめコラム

今朝の朝日新聞その2

 今朝(9/20)の朝日新聞のオピニオン欄には、「私の視点」ワイドとして「政治家とカネ」を特集しています。三者がそれぞれの経験と知恵に基づき持論を展開しているので、読んでくださいね。
 このような共通テーマについての議論を読み、参加する(自分でも考える)ことは小論文対策として有用です。それどころか、2007年の慶大総合政策学部のように、こうした記事がそのまま出題されることもあるので要チェック。
 読んでおぼえるのではなく、まずはそれぞれの主張の要旨を理解し、自分は誰に近いのか、または三者のいずれとも異なるのか考えてみましょう。そのように自分の視点・意見を持つきっかけとするのが、「正しい読み方」なのです。
 なお、三者のうちの一人は、ボクが常務理事をつとめるNPO「情報公開クリアリングハウス」の理事です。彼女が中心となってインターネット新聞「JANJAN」と共同で政治資金データベースを運営しています。タイヘンそうですが、とても重要な仕事です。
[PR]
by sosronbun | 2007-09-20 09:56 | 過去の記事

今朝の朝日新聞

 オピニオン欄に「私の視点」というコーナーがあるのですが、今日(9/18)の朝刊にボクの文章が載っています。約1200字で、ちょうど小論文の解答例のような分量です。
 内容は災害時要援護者情報の共有化を求めたものです。個人情報保護への過剰反応から、多くの自治体で取り組みが遅れています。早く制度への誤解を解き、共有化に取り組んでほしいと考えました。難しい部分があるかもしれませんが、ぜひ読んでくださいね。
 なお、顔写真つきなので、コメント欄の「先生は三遊亭小遊三に似ている」という指摘の真偽も、きっと明らかになると思います。
[PR]
by sosronbun | 2007-09-18 23:26 | 過去の記事

泣かせる答案

 昨日は医系論文の採点会議がありました。答案を添削・採点する先生方も参加して、いろいろな感想や意見を述べてくれるので、ボクにとっては勉強になる貴重な機会です。その中で、前期のテストの答案には泣かされた・・・という話がありました。もちろん悪い意味ではなく、良い意味で本当に泣かされたということでした。
 それはボクが出題した問題に対する答案で、難病の妹さんを抱えるお姉さんに「手紙」を書くという内容です。他者の痛みに対する気づきと想像力を発揮し、相手の心に届くような「手紙」を書いてほしいという難題です。ボク自身も解答例を書きながら、自分の気持ちや表現にもどかしさを感じながら相当に難儀しました。
 そういう出題で採点する先生方が泣かされたということを聞いて、ボクは本当に安心しました。答案を書いた生徒たちは、見ず知らずの姉妹の苦悩にまっすぐ向き合い、ともに悩み、もどかしさを感じつつも何とか言葉をつむごうとしたのでしょう。無理・無駄かも知らないけれど、やれるだけがんばる・・・その賢明さが泣かせる要因の一つです。泣かせる答案を書けるというのは、単に偏差値が高いだけでなく医療者としての適性を備えているともいえます。それが安心の理由です。
 それだけでなく、ボクら教える側の責任の重大さも痛感しました。それは、泣かせる答案を書くほどの生徒の地力と可能性を、どれだけ引き出せるかという責任です。もちろん社会科学系の論文では、出題のテーマや内容をみても泣かせる答案を書くことはできないかもしれません。しかし、テーマへの関心や問題解決への意欲を引き出すことはできるはずです。
 いま冬期・直前の問題を作成中ですが、泣かせる答案はともかく、気持ちが入った答案を引き出せるよう、「もっともっとがんばらなければ、あかん」と思ったしだいです。
 
[PR]
by sosronbun | 2007-09-17 23:23 | 医系論文

冬期・直前講習のご案内

 今日も30度を超えそうな残暑で、秋を飛び越えて冬のことなど思いもつかないのですが、コメント欄や校舎でも質問があったので、冬期・直前講習の概要をお知らせします。
 まず、冬期・直前講習と表現したように、二つの講習は一連・一体のものとして理解してください。駿台でボクは「慶大対策論文<法学部>」を担当します。いまテキストやテストの作成準備を始めたところです。
 テストは冬期3問、直前2問の計5問ですが、すべて新作の予想出題です。いずれの問題も、出題傾向にあわせて、現代の日本社会の諸問題の本質や背景を考えさせる問題です。ズバリ的中とまでは行きませんが、昨年も「当たらずとも遠からず」の予想出題でした。冬期講習では「日中和解」を出題しましたが、背景には「歴史認識の対立」やそこにみられる「若者の保守化」という現代の日本社会に対する「読み」(問題発見)がありました。2007年慶大法の出題「歴史の真実と政治の正義」も、同様の「読み」に基づくものです。
 いまテスト問題を作成中ですが、じっと現代の日本社会をにらみ、大学の先生方がどこに問題発見するかを考えつつテーマや素材を探している最中です。そんなおり、「坊ちゃん首相」が突然辞任したので、「読み」の範囲が広がり多少困惑しています。ひょっとしたら、来年の入試は「責任」をテーマにした出題かも・・・なんてね。
 入試が迫った時期に、このように厳選した新作5問のテストを本番と同じ90分で受ける(冬期講習の1回は、ウオーミングアップの小テストで事前配布・60分で実施します)ことは、ヘタな模試を受けるより断然意味があります。
 昨年末のことですが、某大手予備校(もちろん駿台ではありません)の模試を受けた生徒が憤然として答案を持ってきました。出題テーマや内容も過去問に酷似し、イージーな作問に「あ然」としたのですが、それ以上に驚いたのは答案の添削・評価の内容でした。なんと、答案のどこにもチェックがなく、概評欄に通り一般の無責任なコメントがあるだけです。これでは、どこがどう評価されたのか、これから何をどう修正していくのかわかりません。他校のボクはどうしょうもないのですが、生徒が憤然とするのは当然です。・・・これがヘタな模試です。
 入試が迫った時期に、生徒が全力を出し切れるよう、教える側も全力で作問、解説をします。そのようなテストを5回続けて受ければ、実力とともにテストに必要な度胸も身につくと思います。なお、テキストも過去の予想問題から厳選して掲載し、第一日に解説します。
 いろいろな面で余裕がないかもしれませんが、できれば受けてくださいね。

 講習の受付日程は・・・こちら
 
 
[PR]
by sosronbun | 2007-09-16 11:02 | 過去の記事

慶大商Bの論文

 慶大商Bを受験する人は、まず「論文テスト」の過去問を制限時間(70分)を設けて解いてみてください。類題が少ないので、過去問に取り組み「感じ」をつかむことが重要です。問題、解答例、概説は駿台の入試解答速報に出ています。
 
 2007年入試 Link
 2006年入試 Link
 2005年入試 Link ・・・問題文なし

 また、法科大学院の「適性試験」が数少ない類題です。慶大商Bとの違いもありますが、一度やってみても損はないと思います。これもリンクを貼っておきます。

 法科大学院「適性試験」の過去問 Link

 他に公務員試験の「数的処理」という科目も類題といえます。問題集は書店の資格試験コーナーにあると思います。

 最後に一つだけ注意を促しておきます。まず過去問をやってみて苦手意識をもった人は、以上のような類題の「森」に踏み入らない方が賢明です。いよいよわからなくなり、精神衛生上もよろしくありません。逆に「わりとおもしろそう」と楽しめる人は、ときどき「森」の中に入り込んでリフレッシュ&能力強化をしてください。で、苦手意識のある人は直前期に集中的に取り組む方が効果的だと思います。
[PR]
by sosronbun | 2007-09-16 10:12 | 過去の記事

やることがヤマ積み…

 受験生はマネすべきではありませんが、ボクは古い表現でいうと典型的な「ながら族」です。大学受験のときはラジオの深夜放送を聴きながら勉強していたし、いまもPCで音楽を聴きながら原稿を書きます。最近のお気に入りはスキマスイッチで、ヘッドフォンつけてガシガシ仕事をしています。
 で、そのスキマの曲「ふれて未来を」を聴いてたら、「やることがヤマ積み」なんてフレーズがあって思わず絶句…言うまでもなく恋愛の曲なのですが、恋愛には縁遠いボクらおじさんにとっては、このフレーズを聴くと「やっぱ、仕事しなきゃ」ってなるわけです。
 昨日もNPOが自治体から受託した外部評価事業の中間報告書をA4版30ページを仕上げ、医系論文の授業を終えて帰ってくると原稿の催促メールが2通・・・ああ、やることがヤマ積み。でも、未明にはしっかり起きてサッカー日本代表戦をみてました(いいゲームでしたが、またしても課題は決定力…)。
 さて、「全力少年」を「全力中年」に置き換えて聴きながら、またガシガシ始めようかな。
[PR]
by sosronbun | 2007-09-08 09:54 | 単なる雑談

藤原帰一東大教授の講演会

 ボクが理事と主任研究員をつとめるNPO「参加型システム研究所」主催の研究会で、東大の藤原帰一教授(国際政治学)が講演します。平日の夜で受験生の参加は難しいかもしれませんが、以下に案内を載せておきます。ボクも授業があるため、遅れて参加することになりそうです。なお、参加希望者は事前にお申し込みください。
 
 ■タイトル アジアの中の日本の役割
 ■日時   10月3日(水)18:00~20:00
 ■場所   横浜市開港記念会館9号会議室
         (みなとみらい線「日本大通り」駅下車1分)
 ■講師   藤原帰一さん(東大教授・国際政治学)
 ■参加費 500円
 ■主催   NPO「参加型システム研究所」 ℡045-222-8720
[PR]
by sosronbun | 2007-09-06 11:42 | 過去の記事

相互依存の強み

 一昨日の夜、情報公開のNPOの理事会がありました。例によって近くの居酒屋に寄り、与野党逆転の参議院で情報公開法をつくらせようとか、高齢者の遺産の一部をNPOに循環させる「社会に美田をキャンペーン」ができないかなど、いろいろな話をしました。そんな中で受験生の役に立ちそうな話が、タイトルの「相互依存」です。
 その話を切り出したのは、元新聞記者で細川元首相のブレーンをつとめた理事でした。ボクの文章の師匠ともいえる人です。ちなみに前防衛大臣Kさんも彼の添削を受けていたそうです。彼の問題提起を簡潔に説明すると、以下のとおりです。
 「日本の平和主義者のなかに、食糧安全保障論を持ち出して農産物の自由化に反対する人たちがいるが、それはおかしい…」
 現在、日本の食糧自給率は約40%です。オーストラリアの237%は論外としても、アメリカ128%、フランス122%に遠く及ばず、主要先進諸国の中では最低水準です。このため、国をあげて食糧自給率向上に取り組んでいます。詳細は農水省の「食料自給率の部屋」をのぞいてみてください(なお、近年、政府は食糧ではなく食料と表現しています)。
 こうした中で、「自給率が低いままで、有事(戦争)のとき、どーするんだ」と自給率向上を促すのが食糧安全保障論です。誰もがうなずく論調ですが、そこに彼は異論があるのです。彼の問題提起の背景には、少なくとも安全保障の観点からは、食糧に限らず「徹底した相互依存」こそのぞましいのです。自由貿易を拡大し、相互の依存を強めれば、戦争は自らの首を絞めることになるため、未然に回避しようとする力が双方に働くからです。
 いま中国の農産物や製品に対する不信感が広がっています。一方で、中国の軍事力強化が報じられています。こうした流れの中で食糧安全保障論が対中関係でも持ち出され、いざというとき(有事)に備えなければという「気分」が広がるかもしれません。そんなときだからこそ、自由貿易のさらなる拡大という「相互依存」の強みを日本は発揮すべきなのです。
 それは、輸入農産物の安全性に目をつぶり、国内農業の崩壊を放置することを意味するものではありません。安全性に厳しい注文をつけることは「相互依存」の根底にある信頼を強化します。国内農業の良さを再確認し「比較優位」をつくり出すことは「相互依存」を活性化させます。そのような努力をして「相互依存」を徹底的に追求することが、日本の平和と安定をもたらし、憲法の平和主義にもかなう・・・ということなのです。
 というように「実り」の多い、ボクらおじさんたちの居酒屋談義なのでした。
[PR]
by sosronbun | 2007-09-05 23:44 | まじめコラム

不全感と向き合う

 予備校の授業もいよいよ後期に入ります。夏期は時間がなく小論文に取り組めなかった人、これから本格的に小論文に取り組む人、スタートライン・目標やいまの状況・気持ちは、人それぞれだと思いますが、前向きに楽しみつつがんばっていきましょう!
 そんなときに不全感だなんて、似つかわしくない表現ですね。でも、小論文の基本はタイトルにある不全感と向き合うタフさを身につけることです。辞書的にいえば、不全感とは完全ではないことです。小論文に限らず、文章や表現に完全なものなどないとボクは考えます。不完全だからこそ、その不足をつく他者の言葉を引き出し、相互の理解や思考を深めていきます。
 無謬(むびゅう)性を誇ることは自己の正当化にはなっても、他者との対話や議論を排除し独善をもたらします。それが人間や社会を誤った方向に導いた例をあげればキリがありません。誤りを含めて不完全な自分をさらし、相手からの指摘を参考に自分の主張やあり方を見直していく・・・人生や社会はこのような不全感をめぐる対話や議論を糧として充実していくのです。
 不全を認め、それを克服する営みは小論文の基本です。どんな問題でも明確な答えを出せないかもしれません。また、とりあえず答えを出しても、何だか疑わしいこともあるでしょう。某人気番組ではありませんが、「スッキリ~」といきたいところですが、そうはいかないところに人生や社会そして小論文のおもしろさがあるのです。
 あーでもない、こーでもないと思い悩み、なかなか答えが出ない不全感と向き合い、それを楽しみましょう!その経験が受験だけでなく、これからの人生にもプラスになると思います。
 
[PR]
by sosronbun | 2007-09-04 01:02 | 論文入門