人気ブログランキング | 話題のタグを見る

慶大法の論述力試験①

 本番まであと1週間を切り、落ち着かない気持ちの受験生も多いと思います。我が家にも間近に高校受験をひかえた子どもがいるので何となくわかります。
 いま一番知りたいことは「何が出るか」だと思うのですが、その願いをかなえることはできません。出題予想というものではなく、落ち着かない受験生への精神安定剤的な「予想」記事をしばらく書き連ねようと思います。追って慶大経や医系論文についても書くので、しばらくお待ちください。
 レギュラー授業や講習でも話してきたように、慶大法の出題テーマは、慶大文と違って法学部らしさが感じられません。だから、法律や政治についての知識をあわててかき集めるような過剰反応は避けましょう。ただ、これだけはほぼ確実にいえます。それは、現代の日本社会の「問題」が出題されるということです(いんちきな占い師みたいに抽象的すぎますが…)。
 例外的に現代そして世界についての出題が1問ありましたが、それを除けば、すべての出題は課題文・筆者が現代の日本社会の「問題」を指摘・整理し、その理解に基づいて各自の見解を述べさせるものです。したがって、課題文の理解のポイントは「問題の発見」やそれを論じるにあたっての「論点の把握」であり、受験勉強でやってきたようなテクニカルな読み方ではなく、何がどのような点で問題なのかを中心に読み取ることが必要なのです。
 そこで、「何が出るか」なのですが、現代の日本社会の「問題」に何があるか新聞や本を読みあさるのではなく、自分でいくつか考えてみましょう。たとえば、以下のように簡単なメモで十分です。問題の解決まで行きつかなくても構いません。大切なことは、これらの「作業」を通じて、あなた自身の問題意識や視点を確認・獲得していくことです。テーマは的中しなくても、こうしたアウトプットの習熟が、課題文・筆者との対話に役立つと思います。

[サンプル]
 ①問題の発見
   少子化が深刻な問題になっている
 ②問題の分析
   少子化の背景には晩婚化・非婚化がある
 ③問題の解決
   結婚・出産は自己決定に委ねられるべきで対策は困難である
   少子化を前提とした経済、社会のモデルチェンジこそ必要ではないか

 と、あっさりまとめちゃいましたが、実際に書くときには「どんな点で深刻なのか」「晩婚化・非婚化と少子化とはどう関連しているのか」「モデルチェンジとは何か」などを自問し、肉付けしていくことが必要です。ネタ集のようなものを読んで「ぜい肉」をつける、まずは「骨格」を整えることが大切です。このメモは受験直前の「カルシウム剤」かも…
by sosronbun | 2009-02-10 10:17 | 社会科学系論文


<< 慶大経済の小論文① 慶大文の小論文 >>